農園では、田畑や野山の恵みを私たちの生活に取り入れていけるような体験講座を催しています。以下、そのご案内です。
今、日本では「生産者」と「“消費”者」という言葉がよく使われますが、私はその言葉にとても疑問を感じています。日々、人は農産物の命を頂いて生きていますが、それがどのようにして生まれ、育ち、自分たちの体に入っていくのか、その過程を知っている人はどのくらいいるのでしょうか。私たちが口にするものは、誰がどんな風に育てたものなのか、そしてそれを誰が料理したのか・・・それを知るだけでも、ただの「“消費”者」ではなくなります。

昨年の米不足と米価急騰は、「令和の米騒動」と言われ、いまだに私たちの生活に大きな不安を与えています。原因として、生産量の調整政策や、猛暑による凶作、業者による価格釣り上げなど様々な分析がなされていますが、その影で静かながらも急速に進行しているのが農家の大幅減少です。農家数はここ15年間で半分にまで減少し、100万経営体を割り込んだことは大きな衝撃で、この農家数でなんとか1億2千万の人口を支えている現状です。政府は、必要な食料の確保のため、農業の規模拡大やスマート化などの対策を講じていますが、「量」が確保されたとて、食べものとしての「質」も保たれるとは限りません。
政府の進める規制改革等により、気がつかないところで日本の農業や食の昔ながらの方法や今まで当たり前だったものが一変しかねない状況が進んでいます。例えば、「漬物」は日本の代表的な保存食で、発酵等の伝統的な技術を今に伝えるものですが、食品衛生法が変わったことで、道の駅などでおばあちゃんたちお手製のお漬物を気軽に販売することが難しくなりました。かつては、保存食等を含め家庭料理の技術や、それに合う野菜等の品種などは、各家庭や地域で代々受け継がれてきましたが、そのような機会が急速に失われ、手作りされた「本物」や伝統的な技術や手法、野菜の多様な品種などが、急速に失われていくことが危惧されます。ゲノム編集等の新技術や、培養肉など、これまでの食を根底から変えかねないような新たな技術も急速に進められています。
このまま自分の食べる物を人任せのままにしてしまって良いのでしょうか?

田舎に移り住み17年が経ち、毎年同じことを繰り返してそれを日常に落とし込んで日々の暮らしとしていく中で感じること、今の農業情勢を鑑みてこれから私たちにできることなどを、皆さまと共有し考える時間を定期的に作りたいと考えています。もしご興味ありましたら、ご参加頂けましたら幸いです。
今年は、自然の恵みを日常の食生活に活かすこと、田畑で作物を育ててみること、羊の毛という天然素材の恵みを日常に活かすことなど、それぞれをテーマで、月に1回くらい一年を通じた会を予定しています。ご興味のある方は、お問い合わせお寄せ頂けましたら、詳細をご案内させて頂きます。



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