パリの園芸店の種コーナー。これは、全てオーガニック種子です。「AB」や「 BIO」と印があるものです。会社や野菜の種類によっても違いますが、オーガニック種子は1袋4−7ユーロ位でした。
ホームセンターでもオーガニック種子が販売されています。
また、有機農家の方々は、信用できる有機の種屋さんがあるようです。
フランスの有機農業では、栽培する植物は、オーガニック種子であることが前提です。
一方、今の日本では有機栽培といっても、オーガニック種子による栽培までは求められていないのが現状です。
また日本では、有機の種屋はほとんどなく、ホームセンターや種会社で販売されているのは、採種地が海外のF1品種の種ばかりです。そのため、日本で有機の種子を使用したい場合には、海外から購入するか、有機栽培の野菜から自家採種(自分で種とり)するという方法が主になります。
しかし、野菜の種類も多様化する中で、それぞれの農家がたくさんの野菜の種とりをすることはなかなか大変です。キャベツなどの葉もの、大根やニンジンなどの野菜は、通常、花が咲く前の段階の植物を食します。花が咲き、実を付けるまで畑で育てていると、他の作物を植えることができません。(小規模栽培の場合、問題になります。)また、同種間の交雑、種とりのタイミングなど、種とりには、時間と労力、ある程度の技術が必要となります。
ところが日本でも近々、有機JASの規定を種子に関することも含めて改正する動きがあるようです。
さて、日本でのオーガニック種子の入手などについて、今後はどのようになるのでしょうか。
私の畑では、種の持つ力や生命力の観点から自家採種に力をいれています。
今回の旅で、「オーガニックとは何か?」を改めて考える機会を持つことができた気がします。
「オーガニック」という言葉をどう捉え、生産者・消費者がそれぞれどこまで求めるのか・・・
私は生産者として、消費者としてどうなのか。
生産者として、コスト高になってもオーガニック種子を購入するのか、自家採種するのか。それともオーガニック種子にはこだわらず、自然に近い形で育てることに集中するのか。
消費者として、もし完全オーガニックの野菜が倍の価格でも購入したいのか、それとも栽培中に農薬など使われていないものならよいのか・・・
生産者としては、自分なりの考えは持っています。また機会を見つけて、お話できればと思います。
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