「自家採種を学ぶ」というテーマで、広島ジーンバンクの船越さん、ハチマキ自然農法研究会の岩崎さんの講演会に行ってきました。200人位の人が集まり、とても充実した講演でした。
船越さんからは、種取りの技術論について、お話がありました。各野菜の特徴を知った上で、それぞれの野菜の種の採種方法を考えます。風媒花、雌雄異花、自家和合性/不和合性・・・色々な特徴を踏まえ、それぞれに合った交雑防止法があります。私もこの技術を、自分の種取りにいかしていきたいと思います。
また、種の貯蔵についてもお話がありました。いい種を保存するには、湿度や温度などの種の管理がとても重要だとわかりました。
岩崎さんからは、約30年の間に種取りしながら育てられている在来種の魅力についてお話がありました。その地域でほそぼそと栽培されていた雲仙こぶ高菜。その消えゆく種を復活させ、その魅力が認められて食の文化遺産に登録され、地域自体も活性化したというお話など、栽培されている在来種のそれぞれの歴史や想いをきき、種のロマンを感じました。
在来種、伝統品種には、食味の多様性もあり、その魅力をどのように生産者から消費者に伝えていくのかという課題もあります。生産者が「食べる」ところまで提案する、さらに料理人が食を通じて魅力を伝える・・・「美味しい」と感じてもらうことが、その種の栽培を続けていくことに繋がります。
そして、お二人が共通に言われていたこと。
いいものを残そうと純系の種とりをくり返すと、段々種がとれなくなってくるということ。これは、ある程度、遺伝的な多様性が必要ということで、とても納得できました。
たくさんの気づきを頂いた一日。在来種、これはそれが受け継がれている中で多くの人が関わり、それぞれの想いがあり・・・きっとそれは「美味しい」ゆえに受け継がれ、それがその地域の文化を築いてきたのではないでしょうか。
今、各地で消えていきそうなその種が、人と人の縁により新しく息を吹き返し始めています。
私も岡山にあるそんな種を見つける旅もしてみたい、そんな風にも感じました。
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