本日は精進料理の藤井まりさんと高木久助さんの葛講座を開催しました。
196年前から本葛を作っている廣久葛本舗の高木さんより、葛についてのお話を伺いました。高木さんの葛を初めて頂いた時、葛の美味しさに感動しました。それからずっとお話をきいてみたい、と思っていたので、念願かない、私にとっても実り多き一日となりました。
現在国産の葛は98%が鹿児島で生産されていて、本葛を作っているのは3社で、その95%を生産されているそうです。廣久葛本舗では、大隅半島の天然の30-50年ものの葛を掘り、伝統的な製法で葛を作っていらっしゃいます。
葛の根から本葛になるまでの行程を教えて頂く中で、本葛ができるまでには1−1年半の年月がかかること、100キロの葛の根から出来る本葛はわずか7キロ程であることなど、本物の葛を作る大変さを感じました。
高木さんは昔ながらの伝統的な方法で本葛を作られています。しかし、実際に出まわっている葛の多くは安く大量に生産するため、さつま芋と葛を混ぜたり、多くの薬剤を使う・・・など、本来の食べ物としての葛から離れてしまった「葛」となってしまっている現状があります。
例えば、葛の根を水にさらす時、防腐のために石灰水(強アルカリ)を使い、それを中和するために硫酸(酸性)を使う、葛を白くするために漂白剤を使う、泡がたたないように消泡剤を使う・・・色々な薬品が使われていることを知りました。それらのことは、その商品に記載する必要はないので、それを手にする消費者は実際にどんな風に作られているか知ることはできません。
高木さんにとっての安心安全の基準は、「家族が安心して食べられる」ことだと言われました。
そして葛きり、葛ねりのデモンストレーション。作り方のポイントを教えて頂きました。
葛は、料理が冷めない・とろみをつける(薄味で美味しく食べられる)・かためる(ゴマ豆腐や葛餅など)と色々な料理に使うことができ、離乳食や介護食にも使われています。
色々なお話を伺った後、藤井さんに作って頂いた葛の精進料理を頂きました。お手伝い頂きました皆様、ありがとうございました!
黒米寿司、すまし汁、高野豆腐の唐揚げ、豆腐饅頭、ゴマ豆腐、ワカメの寒天寄せ、葛饅頭、葛ねりという葛をたくさん使ったお料理は、どれもとっても美味しかったです。
葛を生産されている高木さんだからこそ伝えて頂けることを、参加頂いた皆様に感じて頂ける会であったかと思います。
そして、この葛は岡山のらんらん亭さんで取り扱って頂けることになりました!
岡山の皆様、是非一度本物の葛の味を感じて頂けると幸いです。
藤井さん、高木さん、ご参加頂きました皆様、本日はありがとうございました。
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