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奇跡の稲刈り

2018年10月6日

すっかり秋かと思いきや、台風と共に暑さが戻ってきました。
2週連続週末の台風という非常に頭の痛い事態。
先週の大雨で田んぼにはたっぷり水が溜まり、バインダーを入れることが難しい状態。しかし、この週末も台風で金曜から雨予報でした。晴れるのは水曜まで、と。では、いつ稲刈りをするか、、、
悩んだ末、少し水の引いた水曜から、稲刈りを始めることにしました。3枚の田んぼで、2.5反ほど。基本的に手刈りなので、一体いつまでかかるのだろうかと不安になりつつ、それでもやるしかない!と気合十分で臨みました。

やはり、ぬかるみはひどく、水がずっと溜まったままの場所もあり、バインダーが入れたところは限られたところでした。

しかし、姫路の先輩農家さん達、お世話になっているレストランのご夫婦、近所の友人達が、手伝いに駆けつけてくれました。「なんとか雨前に終わらせよう!」とみんな協力してくれて、とても心強かったです。
皆様、本当にありがとうございました!!
そして、夕日が沈みかけた頃、ふと顔を上げると、夕日に照らされて働いているみんなの姿がすごく美しくて、はっとしました。この風景を写真に撮りたい!と思いましたが、そんな余裕はなく、必死でした。
最後に残った手刈りの田んぼ、日も暮れてきたし、明日頑張ろうかな、と思っていましたが、みんな残ってくれて、最後は9人で、ちょうど日の落ちる6時ごろ、すべての田んぼの稲刈りが終わりました!私には奇跡の稲刈りに思えました。
マンパワーの偉大さを感じました。
忙しい中、急遽手伝いに来てくれたユキさんが、「これは一人の仕事じゃなくてみんなでするものだよ」と言ってくれた言葉が身に染みました。
毎年、多くの方々に支えて頂き、田舎での日々を過ごしています。10年目の今年は、災害も多く、田畑の仕事も今までで一番難しい年のように感じます。自分の努力だけではどうにもならないことも多いですが、自然がもたらしてくれる恵みは自分では作り出すことのできない美しさがあり、それゆえ、私は今まで続けて来ることができました。
そして、いろんな方に助けて頂く中で思うのです。このお米を食べる人のエネルギーになる、そんなお米が作りたい、と。エネルギーというと漠然としているかもしれませんが、もっとシンプルにいうなら、食べる人がより元気になるということでしょうか。
農薬を使っていないとか肥料を使っていないという農法だけでできるものではない部分だと思っています。それを大切にしていきたい、夕日に照らされたみんなの姿を見て、そんな思いを強くしました。
これからじっくりと自然の中で少しずつ干し上がっていきます。このハザがけの過程で、ゆっくりと水分を下げる中で、旨味や甘味が籾に移行していきます。また、ゆっくりと次世代に繋がる種としての実を充実させていきます。そのため、天日干しの米は、植物としても自然な生命力を持っていると考えています。
生後1週間のフーちゃんです。1羽だけだし、数日親元にいたので、本当に甘えん坊です。怪我からは回復し、私たちの後をついて走り回っています。踏みそうで怖いですが・・・出かけるときはポケットに入ることが多いこの頃です。
これからヤマビコの脱穀、もち米の稲刈り・・・農閑期まではまだまだ仕事は山のようですが、楽しみながら頑張っていきたいです。

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